潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)
ulcerative colitis

大腸粘膜に多数の潰瘍を生じる慢性の炎症。

【症状】
・初めは、間欠的な出血を伴った下痢を繰り返す。
下痢は突然起こって激しい場合もあるが、たいていは軽いもので下腹部の痛み、強い便意、便に血液や粘液が混じるなどの症状を伴う。
・症状がひどい場合は、下痢が1日に10〜20回も起こることがある。
時には、便は水分と血液とうみだけとなる。
・発熱、倦怠感、食欲不振、体重減少、貧血などを伴うこともある。
特に貧血はほとんど必ず起こる。

【原因】
・原因はわかっていないが、免疫の異常が関係している可能性がある。

【合併症】
・この病気は直腸だけに限られることがあり、その場合は直腸炎と呼ばれる。
直腸炎の症状はごく軽く、合併症もほとんどない。
・結腸全体に及ぶことがある。
・一般に下血を伴う。
・潰瘍のために腸に穴が開いて、腹膜炎による突然のはげしい腹痛が起こることがある。
この場合は、ただちに医師の治療が必要となる。
・関節炎や目の炎症、紅斑を伴う皮膚の病気が起こることもある。
・大腸炎が子供に起こると、病気が結腸全体に及び10年以上症状が続いたりする。
ガンが起こる危険性も高く(通常の人の200倍近い)患者の半数以上は、大腸炎にかかって30〜40年後にガンになるといわれている。
しかし、適切な治療によって、ガンの危険性を減らすことができる。

【家庭での手当】
・症状が軽いものは、果物や野菜など、繊維の多い食物を減らす他は、普通の食事をとって良い。
・ストレスや不安を避ける。
・症状が著しくあらわれる初期は、床について休む。
・腸の活動を鎮めるために、下痢止めを適量用いる。

【どのような場合に医師にかかるか】
・症状がひどく、急速に進行するとき。
あるいは、下痢が繰り返し起こったときには、なるべく早く医師の診療を受ける。
・便に血液やウミが混じっているとき。

【見通し】
・患者の10%は1回罹患しただけで完全に回復する。
・最初の症状が出血、穿孔、感染などを伴うきわめて激しい場合は、重大な合併症を起こすことが10%ほどある。
・残りは、症状が良くなったり悪くなったりしながら、いつまでも長引く。
・60歳以上の人ではこの病気はまれだが、かかった場合は激しく危険である。


合併症(がっぺいしょう)
complication

何かの病気がもともとあって、そのために起こってくる別の病気。


関節炎(かんせつえん)
arthritis

関節の炎症をあらわす一般的な言葉。
関節炎には、急性関節炎と慢性関節炎がある。
急性関節炎はまれな病気で、外傷や細菌感染によって起こる(化膿性関節炎)。
慢性関節炎はふつう慢性関節リウマチや老化(変形性関節炎)によって起こる。